美しくあれ
先日、新幹線を待っている時のこと。
一目で、かなり身なりに気を使っているとわかる40代後半のビジネスマンが、喫煙エリアで煙草に火をつけた。最後の一本だったんだ、それが。彼は、手にある空のハードケースをつぶし、1-1.5cmしかない吸殻入の隙間にその空き箱をねじ込みはじめた。
はぁ?!と、思わず、頭のてっぺんから靴の先まで見ちゃった。
高級そうなスーツを着こなし、清潔そうな成りをしたこの御仁は、この瞬間にオッサンになった。
オッサンは他人がそんなふうに見るなんて夢にも思っていないだろうが、この行動が、自分の両親、そして奥さんが、彼に必要な教育を施していないことを公衆の面前でさらけだしてしまっているんだ。
吸殻入には吸殻以外は入れないなんてことは常識で、そのためにも投入口を狭く仕切ってある。そこにフィルムつきの紙パッケージをわざわざいれたら、後片付けする人が大変になることが想像できないのだろうか。想像力がまったくない。たぶん、片付けひとつしたことがないんだろうな。青年ならいざ知らず・・・いい年しているんだから、そのくらい考えたらわかりそうなものだけど。
人は、年を取れば衰えていく。減り、磨耗していく。でも、経験と知恵、知識は積み重ねられていくんだね。そういった表層に現れない積み重ねが、人の表情や振る舞いという、表に出る美しさを作りあげていくのだと思う。
「醜くありたくない」
この思いを日常の中に持っているかどうか。
それが、人を「美しい人」にしていく。
私は、そういう大人でありたいと思う。
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