「僭越ながら」
「僭越ながら、私のようなものが諸先輩を差し置きご指名を賜りまして・・・うんぬん」
よく、結婚式やパーティーのスピーチで聞かれる話し始めの部分。
これだけで終わってくれたらいいけど、この頭の部分が延々と続く人もいたり。
僭越(さしでがましい)と思うなら、スピーチしなきゃいいのに
長ぁ~くしゃべるのよね、こういう方々。
この部分、実は不必要だと思う。
たとえば、プレゼンや会議の進行役でも同じ。
経験がありませんので
自信はありませんが
私ごときではお役に立たないと思いますが
うまくできないと思いますが
…..etc.
などなど、いろいろなマクラをみなさん述べられますが
ようするに「いいわけ」だよね。
全力で考えてきた、出来る限り頑張った、というのは必ず参加者に伝わるものだし
わざわざ最初に言葉にしなくてもいいんじゃないかな。
この言葉を言うことによって、聴いている人たちは「そうだよね、できないのにやっているんだからたいしたものだ」と点数を甘くして褒めたたえてくれる?
ないね、そんなこと。
相手の受け取る印象がマイナスにこそなれ、プラス点が追加されることはない。
自信がないなら、まずは全力で準備する。
言い訳や但し書なし、真剣一発勝負をする。
これにまさる臨場感と熱意はない。
準備もせず、言い訳や冒頭のお断り文句でごまかすことが一番よろしくない。
間違えても、ヘタでも、真剣さは必ず伝わるから。
子どもの頃、「いいわけしてはいけません!」とよく言われた。
あの頃は「なんでだめなんだろう。ほんとなのに」なんて、怒られながらも心で反発していた気がする。大人になって、ようやく「いいわけすること」の情けなさが理解できた。ようするに、潔くないんだ。もっとわかりやすくいうと、カッコ悪い。
慣習、もしくは礼儀として「僭越ながら・・・」というのは、実はただのいいわけ。
指名を受けたなら、つべこべいわずに役をこなす。
これがかっこよさの基本です。
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