#86 *SPICE OF LIFE*「シンプルに生きる」
おはよう、由歌利です。
今日は、台風17号で「きわめて」緊張する体験をした9月末の停電の中、
手書きで書いた原稿をお届けします。沖縄の空は今朝も抜けるように青いよ。
☆・:+:。+・。
台風一過の沖縄の空。
何事もなかったように青く、どこまでも青く晴れ渡る。
9/29、15時過ぎ頃から台風の影響で一帯が停電となり、
一時30万世帯の明かりが消えた。(10/1現在3万件が今も停電中)
30日午前11時現在も継続中。
昨夜は風の音だけが町の中を駆け抜けていた。
いま、家々の窓やドアが開け放たれ、人々の生活の音が聞こえる。
そう、昔はこんな暮らしをしていたんだよ。
いつの間にか電化製品と電波に囲まれた日常を当たり前にすごし、
24時間繋がりっぱなしの生活になった。
昨夜、窓という窓を開け放ち、思いのほか心地いい風に吹かれながらぼうっと雲
に覆われた空を見ていた。
PCには返信を待つメール、デスクトップ上と現実のファイルには
〆切のある仕事が詰まっている。
いや、そんなことはどうでもいい。
なんとでもするし、できるんだ。
大切なのは、心が静かに凪ぐこの時間に私が存在していること。
☆・:+:。+・。
夜風と時間と暗闇に身を任せ、眠りに落ちた。
いたってシンプルなあり方に、ああ、けっこうどんな状況でもOKなんだねと、
妙に気持ちが落ち着いた。
陽の光で目覚め、家中を掃除し、
珈琲片手に窓辺の床に座って静かに世の中の音を聴く。
忘れていた感覚を身体が思い出す。
もっとシンプルでいい。
生きるということに付加価値や条件を付け過ぎているんだ、
すべてがありすぎる日常では。
ああじゃなくちゃダメ、こうじゃなきゃできない、
それじゃないと無理、あれ、それ、これ・・・・・・・・!!!
そんなことないんだよ。
なきゃないでいいんだ。
無理なら無理にしておけばいい。
モノに頼り過ぎたら本能が眠ってしまうね。
カラダ一つあればさ、シンプルに生きていける。
それだけだよ。
☆・:+:。+・。
電気が復旧すれば便利ですべてある暮らしに戻る。
でもね、ひとり台風とともに過ごした48時間に
すごく大切なことを教えてもらった。
上手く言語化できないのだけれど、
生きるということの本来の意味っていうのかなぁ…本質みたいなこと。
25才で脳膜髄炎で倒れたとき、責任者として複数のイベントを抱えていた。
意識混濁で自宅電話番号は思い出せないのに、
会社には間違えることなく一発で電話し、仕事の進捗状況、
段取を説明し「入院したので、とうぶん会社に行けない」
と伝えてこん睡状態に陥った。
眠りに落ちる直前に脳裏に浮かんだことをいまだに覚えていて、
昨夜それを思い出した。
「あーあ、仕事全部できないや。…なにもしない、
できないってこういうことをいうんだなぁ」
生きるってことはさ、きっとね、
もっと単純さが必要なんだよ。
☆・:+:。+・。
停電から26時間強、
昨日17時40分頃に電気が復旧。中秋の名月はひどく美しかった。
あたりまえに電気のある生活に感謝しつつ
シンプルな感覚を身体に刻み込み、
しっかりと仕事の遅れを取り戻す。
由歌利
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