誠実であること:その2
「言葉には誠実であれ」
解説する必要もないけれど、自分からでた言葉には責任が伴う。
「言っていること」と「やっていること」。
同じであるつもりでいても、説明が足りなければ、「言葉と行動が違う」ととられてしまうもの。それをどう一致させるか。人間は完璧じゃないから、難しいよね。
私の経験からいうと、まずひとつは自分の心に嘘をつかない。
人は、意識せずにウソをついていることがよくあるんだ。
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たとえば、家族に何かを問いかけられたとき、本を読んでいたから、つい、「うん、うん」と言っちゃったとか、軽く流して「それでいいよ」と口から出ちゃったり。人にあわせて適当にモノゴトをいうと、自分の言った言葉を覚えていないことがよくあるでしょ。
あとで「そんなこと言ってない、聞いてない」と、ケンカになる。
営業成績を上げるためや、取引先なのでイヤとはいえなかった・・・とかも、自分を騙しているね。どこか後ろめたさがあって、本音の会話ができない空気が作り上げられてしまう。
自分を大きくみせたくてカッコつけちゃったり、誇張して説明したり。
そんなことはすぐにばれるし、逆効果だから、これもやめておこう。
ひとつ、注釈を入れるね。
自分の心に嘘をつかないというのは、わがままをとおすこととは違うよ。
それぞれの職務、立場で、やらなければ、そして、守らなければならないことはたくさんある。自分で選んだ道/コトの道義は踏まえたうえで、うしろめたいことがないか自分自身に問いかけてみる。
次に、説明する手間を省かないこと。
基本、言葉は「対象」にむけて発するメッセージ。
その「対象」が理解できるように、自分の言葉の意味を伝える努力を怠らない。
最初にふれたけれど、言葉と言動が違うと思われるのは説明が足りないとき。
どんな簡単なものでも、相手がわからないのであれば、説明しよう。
これだけで、誤解はほとんどなくなるよ。
最後に。
「いつもは大きなことを言っているのに、いざとなると相手になにもいえない」とか「部下を叱れない」人っているね。
気持ちはわかる。辛いことを言わなきゃいけないとき、指導を入れざるをえない状況とか、話のきっかけをつかむのも難しいし、なんて伝えたらいいかわからなくなる。みんなそうだよ。
とはいえ、いわなければならないときは、必ず来る。
「言えなかった自分」に後悔しないように、下腹にぐっと力を入れて、言うべきことを伝える。冷静に、やさしく。言葉はこころを伝える船。こころの中の荒波や嵐をそのままぶつけては、伝わることも伝わらない。武器にされてしまう「言葉」もかわいそうだよ。
理解してほしいなら、こころからの言葉=想いと、その熱を乗せて伝えること。
怒りや失望は冷たい刃、想いと熱はここちよい風、どちらが人に届くかわかるよね。怒りを人にぶつけるのは、結局自分自身のためでしかないから。
自分からでる言葉に誠実であること。
これもまた、奥が深いなぁ・・・
私もいまだに失敗するよ。
「あ、あのとき言ったこと、つじつまがあってない(汗)!」とかさ。
日々、精進だな。
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