もっと買わせて
先日、渋谷のT百貨店内の店で買い物をしたときのこと。
好みのデザイン製品を数多く取り揃えているそのショップでの私は、
VIPじゃないけれど、かなりの上客に位置していると思う。
私は何かを買う時、店に入って10分以上悩むことはない。
じーっと観察し、手に取り、具合を見る。
スタッフに声をかけるのは、ほぼ「購入決定」した時だ。
その日は、30才前後の女性販売員が二名立っていた。5分ほどで購入商品を決め、支払いと配送をお願いしたのだが、私がその店を後にできたのは、購入を決めてから20分後。混んでいた?いや、それほどでも。配送伝票を一回、配送料金を二回間違え、配送送り人の記入依頼を忘れ(私から声をかけてかかせてもらった:笑)、消費税をつけ忘れ、レシートを間違え・・・都合5回、集中レジへの往復をふたりがかりでしていた。途中の10分くらいは私が店番をしていたようなものかも。
以前からスタッフがとろいなぁと気づいてはいたけれど、ここまですごいとねぇ。
さすがの私も思わず「きちんと、覚えようねっ」と口に出して言っちゃったよ。
でも、これは、彼女たちに原因があるとは思わない。
会社の責任だね。
彼女らのひとあたりは悪くないし、仕事がぞんざいというわけじゃない。
ただ、いかんせん「なにもしらなすぎ」なんだ。
応用がきかない。指示待ち販売員とでも名づけようか。
このショップだけじゃない。
最近、子供みたいな接客を受けることが多くなった。
気持ちよくお金をつかわせてくれる、しっかりした販売ができる人材を確保している店が激減している。
仕事のあまり出来ない中間管理職やマネージャーからしてみたら、抜きん出ず、自分の言うことに逆らわない扱いやすい部下を選んでいる、ってことだね。
販売という職種は、生易しいものじゃない。
一日中エアコンの効いた館内で立ち続け、数字に追われ、休みもままならない。
でも、この職種を心から楽しめる人材、「もっと買わせて」と客に言わせる販売員は確かに存在している。残念なことに、そういう応用力があって頭の切れる人材を会社が使いこなせていないんじゃないかと思うんだよね。
「出る杭」にならない人を雇い、教育も中途半端なまま。
雇われたほうも販売の面白さを知ることなく、別の業種に流れていく。
もったいない、本当にもったいない。
これは販売職に限った話じゃない。
普通の会社でも、上司が部下を使いこなせないがゆえに、適当に理由をつけて他部署に移動させてしまったり、閑職的な仕事をさせて追いやったりしているという話を耳にしている。
いい人材をつかいこなせない会社と管理職の功罪は大きいっ!!
私なら、自分より切れる人材がいたら「即、採用!!」だね。
間違いなく仕事は楽になるし、今以上に流れもよくなる。
私の苦手なエリアまでカバーしてくれちゃうかもしれないし。
人の頭はどんどん抜きん出ればいい。そうでなきゃ可能性なんて語れない。
デキる人材が自分の立場を脅かすと感じるなら、その会社にとんでもない損失を与えていることになる。会社が伸びるための絶好の機会や、すばらしい人材を、根こそぎダメにしているんだから。
上に書いた件の女の子たち。
思わず私が教育したくなっちゃったよ。
教えたら、きっと売上取れるようになるのになぁ。
ひたすら、もったいない話。
世の中の小売業を営む会社のみなさんにお願いしたい。
「気持ちいい接客でお金をつかう楽しみ」を私から奪わないでね。
お願いします、ほんと。
人の採用、人材の確保、教育。
もっともっと原点に立ち返って、真剣に考えなくちゃ。
中間管理職のあなた。あなたは大丈夫?
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